あいまいなねむりのなかで

ときめくかときめかないか

三浦半島

昨日は海に行ってきた、夏になると毎年、夏らしいことをしなくてはって気持ちになる、すぐに過ぎてしまう季節、流されていく日常の中で妙な焦りがあった、三崎口行きの電車はよく利用していたけど、終点まで乗ったことはなくて、気になっていて、この先はどんな場所なのだろうか、それを確かめるべく向かった、改札を出るとレンタルサイクルがあって自転車を借りることができた、いつも遠出する時は歩きで散策するから、自転車はすごく快適だった、しかも電動付き、漕ぐとぐいぐい引っ張ってくれるような、初めての感覚、畑を横に見ながら広い道を走るのは気持ちよかった、城ヶ島を目的地に設定しつつ、寄り道をたくさんして、観光客は行かないであろう場所の写真を夢中で撮った、民家の間からふと海が見えて、はっとする、いつもそうだ、あの青い地平線を見た瞬間の感動、今年も会えたねと、海を見ながら自転車を漕ぐ、しばらくして城ヶ島に渡る橋に着く、橋の上からしばらく景色を眺めていた、鳥が優雅に飛んでいて、鳥になりたいと思った、風がものすごい、島に着くとそこそこ観光客が歩いていた、その流れを避けるように進む、自転車を返却し、周りを見渡すと食事処がいくつかあって、そういえば昼を食べてないなってことで窓から海が見えるのが売りの店に入った、時計を見ると15時、客は僕だけ、お好きな席どうぞと言われたので、座敷の窓際に座った、ほっと一息、まぐろ刺身定食を注文し、レンタルサイクルでもらったパンフレットを眺めながらこの後の予定を考える、よし、島を一周してみよう、その時その時の選択でその日の過ごし方が大きく変わる、型通りの息苦しさから少し解放された様な気分、店を出て磯へ向かった、岩場を波が打ちつける、岩の上ってなんだか月面とか何処かの星みたいだ、iPodからは夏らしい曲が流れてくる、そのどれも悲しみを含んでいて、みんなの心の深いところは一緒だと思った、表現して届けることで触れるんだって、それはとても美しいことだ、しばらく岩の上で海を眺めながらそんなことを考えていた、磯にはフナムシがたくさんいる、フナムシは人が通るとさーっと逃げていく、逃げないやつは居ない、だいたい同じ動きをする、時々、群れからはぐれているのが居て自分と重なる、砂浜に出ると貝殻がたくさん落ちていて、いくつか拾った、今までどんな旅をしてきたのか、想いを巡らせながら眺めていると不思議な気持ちなると同時にとても落ち着く、そして少し切ない、いつの間にか夕方だ、空を見上げ一日の終わりを感じながら残りの島を歩く、夕陽に照らされた景色は何処か寂しげ、頭の中では色々なことが巡っていた

 

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