あいまいなねむりのなかで

ときめくかときめかないか

初個展を直前に控えた男の心境

いよいよ明日から、ぼくの部屋で個展が始まる

 
「えっ!うっそ!家でやるの?まじ〜!?やばくない?」
 
ギャラリーなどの場所を借りない理由は、自分の絵だけでどれだけの人を動かせるか、はっきりと知りたいからだ
 
ひとりで絵の活動をはじめて5年くらい、色々なイベントに参加してきたけど、個展は初めて、イベントなら皆さん他にも目当てがある中でぼくのところにも来てくれたりするけど、個展は自分の魅力だけで、人を動かさなきゃいけない、休みの日の貴重な時間を使わせ、電車に乗らせ、家まで歩かせる、すごいことだ、そんな事をしてまで来たいと思わせる事が、ぼくの絵でできるのか、不安もあるが試したい
 
後は、とにかく面白い事がしたかった、つまらない日常を壊したかった
 
思い返すと、今までずっと行動を起こさない人生で、例えば、本当は友達とすげー遊びたいのに自分からは連絡せずに誘われるのを待っていたり、入りたいサークルに連絡するのが怖くて結局入れなかったり、好きな女の子に話しかけられないまま3年間、目で追うだけで終わったり、LINEは基本的に自分から送らないし、いつも相手の顔色ばかり気にしていた、嫌われたくないし、何より自分が傷つくのが怖かった、うだうだ考えて結局は何も挑戦しない奴だったのだ
 
この受身野郎!
いいかげんにした方がいいよ(^ν^)
 
そんなぼくだが、絵を描いてて、人に褒めてもらえる事も増えて、少しづつ変わっていった、人前で絵を描くライブペイントなんかも昔ならできなかったと思う、絵を誰かに届ける為なら動けるようになっていた
 
個展をやると決めてからの数カ月、色々と準備をしてきた、たくさん絵を描き、部屋を片付け、展示のレイアウトを考え、DMはがきを作ってイベントで配り、置かせてもらえる場所を探して街を歩き回ったり、プロモーション映像を撮って、それに流す曲も作曲して、動画を作ったり、個展に向けて色々考え、動くのが楽しくて、心の底からわくわくした、生きている実感があった、ただ死んでいくだけはもう嫌だし、行動しなきゃ変わらないのは知っていたから一生懸命やった、まだ始まってないけど、成功だ、この個展は、過程でぼくの心を動かしてくれた
 
後は、人が来てくれたら良いなと思う、生の絵を見たい!って誰かを突き動かせたら最高、それができたら大成功だ
 
そんなわけで明日から、ぼくの初個展「ぼくの月」が始まります、ぜひお越しください、家だけど、入りづらいと思うけど、大丈夫ですよ、ちょっぴり勇気を出してください、待ってます